「保護猫をお迎えしたいけど、どんな感じなんだろう?」
この記事を読んでいる方は、猫が好きな優しい人だと思います。
この記事は、私「Y氏」と妻の「みゆ吉」が、保護猫だった愛猫・ひより&れんりと出会い、彼らの里親となって我が家にお迎えするまでの体験談です。
先にポイントだけお伝えするとこんな感じです▼
目次
出会いからお迎えまでの流れ
我々がお迎えする猫ちゃんを探し始めてから、お迎えまでの流れをご紹介します。
期間としては里親への応募から譲渡完了までおよそ1か月程度でした。
- 保護猫団体の里親募集(SNS)を巡回
- 里親に応募
- 保護先にて保護猫と面談(お見合い)
- 自宅にて譲渡契約・トライアル開始
- 正式譲渡完了
ポイント1 保護猫との出会い方
住んでいる地域で活動している保護猫団体にお世話になりました
私とみゆ吉は、お迎えする猫ちゃんを探す際に、「保護猫の里親になろう」と話し合って決めました。
費用面のメリットもありますが、悲しい思いをする猫ちゃんを一匹でも救いたいとの思いからです。
保護猫と出会う方法は様々ですが、私たちは住んでいる地域で活動している保護猫団体(ボランティアグループ)を通じて、愛猫・ひよりとれんりに出会いました。
一時保護とSNSでの里親募集
お世話になった保護猫団体は、保護猫活動の応援(保護主と里親のマッチング)やTNR活動・地域猫の管理などをしてくれています。
ちなみにTNRとは、野良猫などを捕獲して(Trap)、不妊手術を施し(Neuter)、元の場所に戻す(Return)ことです。
全ての猫ちゃんを保護することは難しいため、野良猫を増やさず、「地域猫」として管理していこうという考え方になります。
今回のケースでは、捨てられていたひより達(4姉弟)を見つけたHさんが保護猫団体のTさんに捕獲と一時保護の応援を依頼されています。
HさんとTさんが何日もかけて彼らを捕獲し、Hさんのお宅で一時保護し、衰弱していた彼らの治療やケアをして下さったそうです。
同時に、SNSで里親の募集をされており、募集を見たみゆ吉と私は彼らに一目惚れしたのです。
ひよりとれんりに対面
SNS上で彼らと出会ってからは、動きが速かったように思います。すぐに里親に応募し、実際に彼らと「お見合い」をしました。
お見合は保護主であるHさん、保護猫団体のTさん、私とみゆ吉の4人とにゃんズで。Hさん宅にお邪魔しました。
Hさんのお宅で出会った彼らの姿がこちらです▼
既に写真で見ていましたが、実物の破壊力たるや…一瞬でメロメロです。
当時は知る由もありませんでしたが、後に"ツンデレお姉さん"と呼ばれるひよりはここぞとばかりのデレ全開。他の子を押しのけてまでスリスリ・にゃあにゃあの猛アピールでした。
一方で、れんりは後の"甘えん坊"の片りんも見せず、ビビりまくり。ケージの隅っこで虚空を見つめていました。それでも最後には少しだけ触らせてくれましたが。
あのときのひよりは『私をつれてって~』と確かに言ってました(笑)
写真の段階でほぼ固まっていたのですが、対面して2秒で里親になることを決意。15分ほどの彼らとの面談(という名の撮影・握手会)を終えて、Tさんに引き取り希望の意思を伝えました。
彼らはオス2匹・メス2匹の4姉弟なのですが、我が家のマンションの規約で猫は2匹までしか飼育できません。できれば4姉弟仲良く一緒にいさせてあげたかったのですが、オス・メス1匹ずつを引き取ることになりました。
ちなみに他の2匹もその後、無事、里親が見つかり、姉弟一緒に仲良く暮らしているそうです。
ポイント2 お迎えの準備
猫が暮らす環境の準備は万全に
住居は猫を飼育してよい物件を
入居とともに保護猫を探し始めました
私とみゆ吉は分譲マンションに住んでいます。以前はペットNGの賃貸マンションに5年ほど住んでおり、猫ちゃんと暮らせるペット可のマンションを探していました。
条件が折り合う物件と巡り合い、入居したことをきっかけに猫ちゃんをお迎えすることが前提のお部屋作りをしつつ、里親募集のSNS巡回を始めた感じです。
マンションのペットにお関するルール
分譲だから何を飼ってもOKというわけではなく、我が家の場合は、マンションの管理規約に「小動物飼育細則」なるルールが定められています。
抜粋して紹介すると以下のようなルールがあります。
小動物飼育のルール(抜粋)
- 動物種類の制限:犬、猫、ウサギ等とそれ以外の小動物(ハムスター等)、小鳥、観賞魚等
- 飼育できるサイズ:体長50cmかつ体高30cm程度まで(中~大型種の禁止)
- 数の制限:犬、猫、ウサギ等は2匹まで
- 小動物飼育届け(種類、種別、性別、名前、年齢、写真(顔・全体))を提出すること
- 法による予防注射と登録を行うこと
- 獣医師による健康診断・治療を受け、健康に保つこと
- 共用部分(エレベーター・通路)では他の入居者に配慮すること(ケージに入れる・抱きかかえる)
- 24時間以上不在にする場合は、ペットホテル等へ預けること
物件ごとにルールは異なると思いますが、事前の確認とルールを守ることは大切です。
今のれんりはサイズ的にギリギリまで成長してますね(汗)
大きめの猫ちゃんを考えている方は要注意です
お迎え前に準備したもの
次は、実際に猫ちゃんが過ごす部屋の中の準備です。SNSの巡回を開始したころから始めました。
普遊舎さんのムック『ネコDK デラックス』がとても参考になりました。
他にもいろいろと調べながら、以下のようなものを準備し、大きいもの順で配置していきました。
猫アレルギーじゃない?
猫ちゃんをお迎えするにあたって、Y氏とみゆ吉はアレルギー検査を受けました。みゆ吉は猫の飼育経験がありましたし、Y氏も猫カフェなどで猫ちゃんと触れ合ってもアレルギー症状は出ていないので大丈夫だとは思っていたのですが、念のためです。
我々が受けたアレルギー検査は「VIEW39」です。(良い機会なので、猫アレルギー以外も調べました)
アレルギー検査 VIEW39
アレルギー検査「VIEW39」(ビュー39)とは、『アレルギー物質に体が反応しているかを血液中の抗体(異物を排除するタンパク質)の量で調べる検査』だそうです。
吸入系(スギ、ハウスダストなど)と食物系(卵、小麦、リンゴなど)で重要な39項目のアレルギーについて少量の血液で一度に調べることができると説明を頂きました。
結果は0~6の7クラスで評価され、3つめのクラス2以上が陽性(アレルギーがある)で、クラス4以上は大部分の人が症状として現れるアレルギー反応を示すといわれているとのことです。
VIEW39検査の項目では「ネコ皮屑」が猫アレルギーの原因(アレルゲン)ですので、この項目が我々の最重要項目でした。
検査の流れ
- 問診・採血
- 結果説明(後日)
我々は近くのクリニックの内科で検査を受けました。(アレルギー VIEW39で検索して近くの病院を選びました。)
予約して病院に行き、医師による問診と採血です。問診では自覚しているアレルギーが疑われる症状を聞かれる簡単なものでした。
採血は健康診断などの採血と同じですね。検査自体は問診を含めて15分くらいでした。
結果は後日、来院して医師から説明を受けるとのことでしたので、この日はこれで終了です。
2週間程後、医師からの説明をうけるため、再び病院へ。
結果は、私もみゆ吉も猫アレルギーは全くないとのことで、安心しました。
ちなみに私もみゆ吉も検査したアレルギーのすべてでほぼリスクがないとの結果でした。
万が一、受け入れ後にアレルギーが発症しては大変ですし、我々は安心して猫ちゃんをお迎えすることができたので、初めて猫ちゃんと暮らす方は事前に検査を受けておくことをおすすめします。
ちなみに私はお医者さんから「こんなに反応が出ない人 初めてみましたねー」と笑われるほどのアレルギー無敵体質でした(笑)
検査の費用
我々の場合、費用は一人当たり7000円程でした。
金額は健康保険の適用や診察内容によって変わるかと思います。
譲渡契約・条件はとても大事
譲渡当日と日と契約について
譲渡当日(猫ちゃんをお迎えする日)は、お見合いから2週間後でした。
実はれんりは保護される前にネズミ捕りに捕まってしまい、体がベタベタになってしまっていたため、何度かに分けてシャンプーしている最中でした。シャンプーを終えてからという保護団体のTさんのご配慮です。
譲渡は我が家で行われ、保護主のHさんとTさんがひよりとれんりを連れてきてくれました。
到着後、ひよりとれんりをお部屋に出してみました。特に怯える様子もなく、初めて見るお部屋に興味津々といった感じで一安心したのを覚えています。
ひよりとれんりが落ち着いた後、彼らには新居となる新しいケージに入ってもらい、譲渡契約を行いました。
譲渡契約では以下のことを行いました。
- 譲渡契約書の読み合わせ
- 譲渡契約押印(譲渡者:Hさん、譲受者:Y氏、契約責任者:Tさん)
- 譲渡金(医療費)の清算
今回の譲渡条件
譲渡契約は「猫を保護した人(譲渡者)が里親になる人(譲受者)へ"猫の所有権"を渡す」契約です。
契約書に書かれていることを抜粋して紹介します。
譲渡する猫について
譲渡契約の対象となる猫ちゃんに関する記載です。
保護中に行われた医療処置(寄生虫駆除・予防の投薬や検便、エイズ白血病検査など)も記載されていました。
1.譲渡対象の猫について
- 仮名/性別
- 種類/カラー
- 年齢
- 処置(検査などの履歴)
- 病歴
譲受者(譲渡を受ける人)の順守事項
猫ちゃんの命を預かる飼い主さんへのお願いの記載です。
契約書として活字になっていると、少し厳しく感じる方もいるかも知れませんが、飼い主としての責任は当然ですし、報告などについては猫ちゃんの譲渡後も気遣ってのことでしょうね。
Tさんは「気軽にLINEで写真送ってくれれば大丈夫ですよ~」とおしゃっていました。
2.譲受者(里親となる人)の順守事項
- 愛情を持って生涯飼育する
- 「保護猫」であり、隠れた病気や障害を持っている可能性があることを理解している
- 完全室内飼育を行う(庭・散歩・ベランダもNG)
- ワクチン接種(年1回)、不妊・去勢手術を生後6ヶ月までにをうけさせる
- 飼育環境(住所や連絡先)を変更する場合、譲渡者へ連絡する
- 年に1度本契約と同じ月に猫の飼育状況・健康状態を報告する
- 猫を他人に譲渡・売却しない
- 猫が契約日から1年以内に死亡した場合、獣医師発行の死亡診断書を提出する
- 猫が死亡した場合、譲渡者へ報告する
- 順守事項に違反し、改善できない場合は、猫の所有権を譲渡者へ変換することに同意する
今回のケースでは私のSNSでの猫ちゃん投稿=報告と扱うとして頂きました。
(TさんがSNSをフォローしてくれています。)
トライアル(試験飼育)期間の順守事項
トライアル(お試し)としてははいますが、基本的にはそのまま譲渡されることが前提とされています。
まれに、家族や先住猫との相性が悪いなどの理由で譲渡が難しいと判断される場合もあるようです。
3.トライアル期間の順守事項
- 契約日から7日間を試験飼育期間とする
- 期間中、譲受者は1日1回の写真を添えた近況報告を行う
- 正式譲渡の可否は譲渡者が試験飼育期間の状況を鑑みて判断し、正式譲渡にならない場合は速やかに猫を譲渡者に返還する
譲渡者の制約事項
保護してくれていた人の約束です。保護中に必要になり、実際に支払った金額だけを請求するという内容になります。
トラブルを避けるためにもお金に関することは重要です。安心して契約書にサインできました。
4.譲渡者(保護していた人)の誓約事項
- 譲渡金(医療費)は実費のみを請求する
- 譲渡金(医療費)を受け取る際は、処置内容を報告し、検査・ワクチンについては証明書(原本)を提出する
- 交通費は近隣市町村の場合は請求せず、その他の場合は実費のみ請求する
- 実費(医療費・交通費)以上の請求はしない
- 譲受者が本契約に違反した場合以外に猫の所有権の返還請求は行わない
実際にはもっと経費があるはずなので、とても良心的だと思います。
ポイント3 譲渡にかかった費用
医療費で1匹7500円ほど
譲渡金としてお支払いした金額は2匹分で13000円ほどでした。
内容はすべて実際にや検査や処置が行われた医療費の実費でした。
その他の費用
譲渡に関するその他の費用は、お見合いに向かった際の交通費(ガソリン代)くらいです。
同じ市内でしたので、ごくわずかな金額でした。
費用ではないですが、保護して頂いたお礼と保護活動への支援の気持ちを込めて少しですが支援をしました。
保護猫との幸せな暮らし
里親となることは、私にとって一生の思い出となる素晴らしい体験でした。保護猫だったひよりとれんりとの出会いから現在進行形で喜びと感動がいっぱいです。
ひよりとれんりが困難な過去を乗り越えて私たちと幸せな生活が送れるようにこれからも愛情を注いでいきます。
また、たった二匹かもしれませんが、私たちが里親となったことで、どこかで他の猫ちゃんを保護できることに少しでも貢献できれば嬉しく思います。
本記事が保護猫の里親となることを考えている方の参考になれば幸いです。